ディープに沖縄
■沖縄猫小 センチメンタルジャーニー
著者:上西重行 企画制作:マリンフォト企画 2006年7月20日
A5判130頁全カラー 定価2100円(税込み)
このコーナーで紹介する初めての写真集ですが、猫がどのページにも写っています。題はウチナーマヤーグァー・センチメンタルジャーニー。
沖縄には野良猫が多くて、私の生活している周辺にも顔なじみの猫たちがいます。
シャム野良やらヒマラヤン野良とか、なんで野良やってるの?と思うような猫達も、力強く生きています。
この本の作者は、そんな野良の一匹を飼う事になった事がこの本ができるきっかけだったのでしょう。でも、良くある「キャーカワイイ!」という猫アップの写真が詰まっているわけではなく、沖縄各地、本島、八重山、宮古などの町の景色、海の景色の中に、あたかも必然のように猫がいて、この写真群を引き立たせています。
あくまで推測ですが、作者はきっと猫の力を借りて、沖縄、そして自分をそこに投射して切り取りたかったか、図らずも写真をセレクトする時にそうなったかではないかなどと考えてみました。
こんな書き方をしたら、きっとかわいくない本なのかと思われるかと思いますが、いえいえ、猫の自然なポーズ、表情をよく写していて、猫にやられてしまったマニアにも、充分に喜んでいただけるかと思います。
沖縄好きにも猫好きにも、きっと受け入れられる本。所々に作者の短文が乗っていて、これもまた楽しく読ませてもらいました。(でも、推敲する前の文も読んでみたかったかも)
■コザに抱かれて眠りたい…ZZZ
第一刷2000年7月7日 高村真琴 著
有限会社ボーダーインク 定価1600円
この本はめずらしく、WEBサイトに文をかいていたのがきっかけで出版にいたった物です。
作者の自称とらさん事高村さんが、なんと仕事もやめて家族の反対も押し切り、関東から沖縄、それもコザの街に住み着いて生活していく様子から、周囲の人々を通して彼女の見た2年半くらいの沖縄を、面白くかつディープにペーソスあふれる状況をさらっと語ってくれている本です。
とにかく1度読んでみて。はっきりいって笑えます。
これから沖縄に住んでみたい!とお考えの方にとっては、絶対一度は読んでおいて損にはなりません。
沖縄を知っている人、コザを知っている人が読んだら、きっと知らない人の数倍楽しめる事受け足です。
■神々の古層
比嘉康雄著 ニライ社 定価1600円 1989年12月1日第一刷発行
沖縄の神降りの地といわれている南部の久高島。
現在まで綿々と伝えられている神事の数々を大量の白黒写真とともに、祈りの歌の内容、進行の仕方、それを記録した時の様子など、大変事細かに掲載しています。
神女の高年齢化とともに過疎による後継者不足から、12年に一度のイザイホーも二回連続で実施不可能になってしまった今、このような記録はとても貴重なものとなってくるはずです。
久高に関しては、全12巻のうちの1、2、5巻が当てられており、久高以外でも、宮古の奇祭、パントゥとか粟国のヤガンウユミ、石垣のマユンガナシー、西表のシツなど、民族文化学的に見ても大変興味深い神事、祭りについてのリアルな記録としてとても価値が高いものだと思います。
興味のある方には、お勧めできるシリーズです。
■琉球・沖縄史
沖縄歴史教育研究会 新城俊昭 著 東洋企画 定価1500円
なぜ沖縄をディープに知るのに高等学校の教科書なのか…
疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これが結構良くまとまっているんです。
原始時代のことから現在の稲嶺県政まで。
特に大和や米軍とのかかわりについても忌憚無く書いている内容には、沖縄の今を知るための基礎知識として、とても評価できる物があります。
乱開発、米軍などの問題点も積極的に取り上げており、教科書として使われている割りにはしっかり多くの問題定義をしている本です。
沖縄ではどこの本屋さんでも手に入りやすいので、他県の方は勿論、ウチナーンチュにもしっかりと今を再確認するために、是非しっかり読んでほしいと思います。
■海底遺跡関連
これらの本は、いずれも与那国の海底遺跡についての話です。
いずれも今までの考古学的常識からは外れている内容ですが、与那国の海底などに人工物としか考えられない石の構造物があることは確かで、どの本もロマンがあふれる内容で、信じる信じないは別としても楽しく読み進める物です。
・海底のオーパーツ
南山宏 著 株式会社二見書房 定価933円
琉球弧の海底遺跡をオーパーツと考える視点から書かれている本で、木村助教授をはじめ実際に調査した人たちの話を豊富な写真付きで掲載し、次の章では著者の有史前超文明という説を紹介しているものです。
・与那国海底にムー文明の巨大遺跡を発見した
坂口拓史 著 株式会社 たま出版 定価1400円
チャーチワードのムー大陸説と日本人との関係から始まり自分で調査に行った時のこと、そしてエドガーケイシーまででてくるロマンある一冊です。
・ムー大陸は琉球にあった!
木村政昭 著 徳間書店 定価1300円
与那国海底遺跡研究の第一人者、琉球大学の木村助教授が書いた本で、ガスベルトが地殻の沈降の原因という考え方にたって、沖縄各地で発見される文字の書かれた石版の文字をムー文字といわれるものに関連付け、古琉球がムー大陸だったのではないかという説を述べている。
■読めば宮古
さいが族編集 ボーダーインク 定価1500円
沖縄の中でもちょっと異色な文化と言葉の宮古島文化圏。
お酒を飲めない人には恐怖の伝統、オトーリでも有名ですが、他にも色んな面白い事が…
沖縄を好きな人にのページでご紹介したキーワードコラムブックの宮古バージョンみたいな本です。
色々な方々のコラムで構成されていて、生の宮古(ちょっと昔の事も多いけど)の話しが、実体験を元にして面白おかしくかかれています。
帯の後ろには、
○宮古にはアララガマスパイクという必殺技があるか!?
○宮古の高校生はジェームスを一度はやった事がある?!
○市内を歩いていると「何で歩いているか」と聞かれる?!
○やっぱり堀ちえみ来島事件は忘れられないでしょう!?
○宮古には「パラダイス」に続く道が通っている?!
などと書いてあります。
これを読んで、興味が湧いた方は是非買って読んでみるべき!すんきゃー爆笑なはずよ?
ディープに沖縄
2006年05月校正
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