沖縄世界遺産余話

世界遺産の感想とかお勧め本とか

沖縄世界遺産をもっと楽しんでいただくために


世界遺産を見る前に予備知識を…ということでお勧め本など
   北は今帰仁城跡から南は斎場御嶽まで、沖縄本当各地にある世界遺産。
勿論そのどれをとっても見ごたえがあるのですが、見る側がその史跡の歴史の中での役割や関連する人物像などを事前に理解していたら、きっとただ見て回るよりも何倍も楽しんでいただけるだろうと、世界遺産の関連する歴史の部分をざっとまとめたページもつくらせていただきました。
 でも、WEBのページでは浅くても、どなたでも簡単に読んでいただけることを考えておりますので、関連書籍のように詳しい内容をお伝えできていないと思います。
ということで、沖縄観光においでの際に、飛行機の中とかホテルで時間が余った時、もしくは沖縄旅行のプランを練る時などに読むお勧めできる本をご紹介しておきます。

テンペスト
・テンペスト

  沖縄出身の作家、池上永一氏による長編小説。
新刊本では2冊、文庫本では4冊とかなりのボリュームがありますが、これまでの作品であるバガージマノパナス、カジマヤー、シャングリ・ラ、僕のキャノンなどと同様、思わず引き込まれる様な楽しめるストーリーが、シーンを目の前に浮かびあがらせてくるような状況描写と登場人物を的確に描き出す会話で展開していて、今私的には今一番お勧めできる作家です。
  この本は第二尚氏の末期、諸外国が港に現れ、薩摩と中国との間で翻弄されつつも王国としての立場を守ろうとする時代の話で、首里城とその周辺を舞台にしており、国王を初め男性が取り仕切る正殿とその周囲のおもての世界、て王妃を初めとする女性だけの内の世界、京の内と呼ばれる聞得大君を頂点とした宗教の世界の三つにまたがり話が進んで行きます。
ですから、登場人物がここで働いていたのだとか、ああ、あの京の内ってここだったんだとか、首里城に何か親しみがわくこと請け合いです。
ということで、首里城見学の前に是非ご一読をお勧めします。   (発行所:角川書店 著者:池上永一)

琉球歴史の名度とロマンその一
・琉球歴史の名度とロマンその一

沖縄の歴史の全体的な流れにも触れていますが、特に世界遺産関連の情報が豊富に乗っています。
その中には言い伝えとか伝説なども載せられていて、基本的には歴史書ですが 堅苦しくなく、沖縄の伝統文化に興味があれば抵抗なく読み進められる本です。
 著者の亀島氏は、沖縄テレビの沖縄の昔話の原作、琉球放送の源 為朝伝説を追えの脚本などを手がけている方。
この本は、那覇市教育委員会などの推薦も受けています。

(発行所:環境芸術研究所  著者:亀島 靖)


琉球王国の歴史
・琉球王国の歴史

 約100ページとページ数は多くありませんが、与那国海底遺跡から首里城明け渡しまでの主な出来事などを、多くの写真や図版とともに解りやすく解説したA5版のカラフルな本。
琉球の歴史を詳しく知ろうとするには多少ページ数が少ないですが、それでも世界遺産を楽しむために、という目的なら必要充分かもしれません。とにかく眺めているだけでも楽しめる各ページですので、読書が苦手な方、面倒臭いな、なんて考えていらっしゃる方でも大丈夫。
沖縄の歴史入門には一番お勧めできる本かもしれません。
(発行所:月刊沖縄社 編集発行者:佐久田 繁)

琉球王朝・物語と史跡を訪ねて
・琉球王朝・物語と史跡を訪ねて

 文庫サイズの可愛い本ですが、中身は充実。
琉球王朝の流れ、史実を軸に、関連する言い伝えや物語とその史跡を語ることで、どうしても硬くなりがちな歴史を楽しく読ませてくれます。
内容に関しては出来事にもよりますが、かなり詳しく書かれていて勉強になります。作者は沖縄出身ではなく高知県出身で、何度か沖縄に足を運んでいるうちに興味をもたれて出版されたようで、他にも菅原道真、秀吉、芭蕉などに関する書籍を書かれています。
(発行所:成美堂出版 著者:嶋岡 晨)

 ※ここであげた他にも沖縄関連の本は多いので、お気に入りを探してみてくださいね。

改めて感じたこと
久しぶりに世界遺産をすべて回ってみて、以前よりも大分整備が進んでいることに驚きました。
斎場御嶽を例に取ると、沖縄に来た頃には駐車場さえ整備されていなくて地元のタクシーの運転手さんにきいても場所がはっきりしないような状況でした。
  それが行くたびに整備が進み、周辺にはモダンな食事所やロケカフェができるようになり、今回入口には緑の館セーファーなる建物ができていて料金を徴収するようになっています。考えてみたら、私も沖縄に住んでずいぶんと年を重ねたものだと改めて思いました。
  場所が那覇から一番遠い今帰仁城跡はどうしても行く頻度が低くなりがちで、今回行ってみてびっくり。
  入口付近に大きな公園と建物ができて、そこにお土産やさんとか軽食の店が並び、ここでも入場料の徴収が…以前は本当に静かな城跡と鄙びた売店が一軒だけあって、良い雰囲気だったのに…。

と、どうしても昔を懐かしんでしまいがちですが、遺産自体の整備は着実に進んでいて、今始めていかれる方には快適に見学する環境が整ってきてということなのでしょう。
 しかしながら、世界遺産に指定されたことにより過度に観光地化されて、その本来の意味である保全の妨げになる可能性も低くなく、そのあたりのバランスをいつも忘れないように整備をし進めるべきでしょう。

 これからは行政でも、これらの世界遺産全体を一つのまとまりとしてより楽しんでいただくための努力をして欲しいものです。もう箱物だけの公共事業や、短絡的にカジノを作ったら来県者が倍増するなどという発想から、沖縄ならではの他県にはない文化、歴史をより生かしたプランをもっとソフト的に拡充していくような、地に足の着いた県内観光産業を発展させていく方向に舵をとる時期に来ているのではないでしょうか。



Copyright (C) Okinawa information IMA All Rights Reserved    2010年10月29日