コアラさんの台風沖縄レポート 投稿者: コアラ -2011/06/30(Thu) 11:26 No.4233

. 波濤のかなたに島はかすんで
羽田空港で飲んだビール そりゃ、行く前から台風5号の接近は知っていましたさ。もしかしたら波が4mを超えて高速船もフェリーも欠航し、渡嘉敷島に渡れない確率のほうが高いだろうと、泣く泣くシュノーケルセットやクーラーバッグは荷物から下ろしましたさ。
  それでも「一縷の望み」ってあるじゃないですか。神様の情けでぽっかりと風がおさまった、とか。
あるいはたまたま泊港にモーゼさんが居合わせて、渡嘉敷島まで海をバーッと切り開いて道をこさえてくれた、とか。
そういう可能性ってゼロじゃない。つかゼロにしないでね。などと考えつつ、とりあえず羽田空港でビールを飲む。うん。こういうときはとりあえずビールに逃げるのだ。那覇行きの機内で飲んだビール


  旅行にはビールがつきものじゃないですか。
汽車がゴトンと動き出した瞬間に缶ビールのプルトップをプシュッと引きあける。ああ、これから旅が始まるぞ、という幸福感が一気に高まるじゃないですか。え?違う?

機内販売では350mmの缶ビールにおつまみがついて500円。それもスーパードライだろうがエビスだろうが同じ500円だ。だったらエビスを選ぶよねとセコい計算。
那覇空港に張ってあった台風情報 着陸時に機体が左右に振られたものの無事に那覇空港に着いた。
このころ台風5号は宮古島近海上にあるらしく、石垣島、宮古島方面行きの飛行機はすでに欠航している。

さらにロビーには「台風情報」なる不吉な掲示板が。
強力な「晴れオトコ」である私を相手に台風などと、ふふふ、片腹痛いわ。

※のちにこれが大きな勘違いだったことが判明する


空港食堂で食べた沖縄そば 「空港食堂」でCAを眺めながらナカミ汁定食でも食そうかと足を向けかけたが、最近はCAも高齢化の一途をたどりつつあるよな〜と思いなおしたらどうでもよくなり、近くにあった蕎麦屋に入る(何という選択理由なんだ?)。
《安着祝い》と称して、神様に捧げるつもりでビールを頼む。感謝の気持ちは大事なんです。ウグウグ。


台風直前の国際通り

あれ?泊まったホテルってどこだったっけ?ダイワロイネット?すみません忘れました。
シングルの予約だったのに 「少し広めの部屋をご用意します」とツインルームにしてくれた恩を忘れるなんて、なんて非道な宿泊客だろうか。

 ホテルに荷物を置いて国際通りあたりをぶらつく。
風が結構あるね。
 最近の那覇における土産物店は修学旅行生がメインターゲットになっているのか、どうもデザインが残念な方向に向かっていると思いません?
「創作系書道」ってのももしかしたら関係しているのかな?どうみてもヘタクソな文字で「長男」だの「二男」だのとプリントされたシャツが氾濫しているのを目にするとがっかりするのは私だけだろうか。

ヘリオアスパブのカウンター…と、そこへ横殴りの雨が!
 そのまま国際通りを県庁方面にひた走って「ヘリオスパブ」に飛び込んだ。
え〜と。雨宿りだったら土産物屋でもよかったんじゃないの?と思われる方もあるかもしれないが、私の思考回路では「雨→パブ」なのであります。
  カウンターのスツールに腰をかけて、まずペールエールを注文した。
  スラリと背が高い女性スタッフのSさんは昨年沖縄本島に来る前は石垣島で7年間暮らしていたとか。こういうナイチャーの方は多いよね。
独身かどうか伺うの忘れた。
雨がやまないので「ゴーヤードライ」というビールも注文。
もう雨がやんだかどうかどうでもよくなって「黒糖酒」というラム酒も追加。これは激しくクセがあった。
ということでバーボンウィスキーに切り替える。
小桜店内の様子 離島好きの私にとって那覇はトランジットだけのことが多い。
だからなかなか訪れる機会がないのだが、那覇に宿泊できた日の楽しみの一つが「小桜」で憩うことなのだ。
この夜は島らっきょうやスーチカをつまみながら泡盛を飲んでいたけれど、本当はここのソーメンチャンプルーが絶品なのである。
「小桜」 那覇市牧志3-12-21(竜宮通り)
TEL.098-866-3695
17:00〜23:00(日曜休)

台風の那覇港 翌朝6時起床。歳をとったら朝が早くなった。
そうすると一日が長く使えてラッキーなのかと思ったら寝る時刻も早くなった。
 カーテンを左右に引き開けて窓の外を眺めると、台風はどこかに去って青空が広がっている予想だったのに、雨風は昨日よりひどくなっているではないの。

 ここでふと思い返してみた。
そういえば今年1月に金沢を旅行した時も大雪だったぞ。もしかすると私の「晴れオトコ神話」は数年前に終わっていたのか?いまでは一介の「酒のみのオッサン」に過ぎないのか?
 シャワーを浴びて、心静めて「とまりん」にある船舶運航事務所に電話をすると「全便欠航です」とのこと。 神も仏もないのか。 ←普段から信仰していないくせに
 あんまり残念だからオリオンビールを買ってきて飲むことにした。船は残念でも朝から飲むビールは旨い。
飲むうちに嵐の泊港を見るのもいいのではないだろうかと思いついた。
酒を飲んで思いついたことに、たいていロクなものはない。
タクシーで乗り付けて運転手にカメラを渡して私がフェリーを眺めながら身もだえして悔しがっている写真を撮ってもらう。

うん。我ながらバカだ。

雨の知念岬 那覇在住の知り合いが不憫に思ってくれたのかクルマを出してくれるという。
知念岬までドライブした。一応海だ。
確かに沖縄の海には違いない。
だけど違うんだ〜っ!   オレが見たかったのはこんな海じゃないんだ〜っ! することがない。
  橋を渡った先の公園みたいな場所まで行くと港に下りる階段があった。
濡れてズルズル滑る階段を百段ほど下りてみた。何もなかった。
  そこにまた雨が降ってきた。
百段の階段を下りたら百段上がらなければいけないということをそれまで迂闊にも忘れていた。
何てツイていないんだろう。ヒーヒー言いながら上がりきったころにはずぶ濡れになっていた。
「くんなとぅ」のもずくそば う〜む。こんなくだらない旅行記を誰が読むんだろうか。しかも読んだって何の役にも立たない。
どこまで続けて書けばいいのだか分からないし。たぶん書き終えても達成感がなさそうだ。

「くんなとぅ」のもずくそば(小)。じゅーしーがおいしー。じゅーしーがおいしー。じゅーしーがおいしー。
語感が面白いかと思って三回続けてみた。あまり面白くなかった。
リイコーチキンの看板「まぁ気を落とさないでよ」知り合いは、ずぶ濡れの私に慰めの声をかけた。
気を落とすにきまっているでしょうが!
「それよりビールにぴったりの丸焼きチキンを食べない?」
おお!そんなステキなものが存在するのか!
機嫌が治ったぞ。
  看板の文字が「リイコー」と「リィコー」のふた種類だ。どちらが本名でどちらが源氏名だかわからない。もっともどちらでも変わらないような気もするが。
そもそも「リイコー(もしくはリィコー)」とは何であるか?
JAZZ界ではコーヒーのことを「ヒーコー」、ジャズのことを「ズージャ」などとひっくり返して読んだりするが、そのひそみに倣えば「リイコー」は「コーリイ」か?
すると経営者は牧羊犬だったのだろうか。 誰か興味がある方、由来を調べてください。
リィコーチキン焼き上がり
チキンはヤンバルの鶏を使用しているそうである。
一羽1600円(半身800円)は破格の安さに思える。注文するとあらかじめ焼き上がっていた取り置きの中から選んで解体してくれた。
地元ナイチャーの知人に言わせると、取り置きでもバットの下の方にあってたっぷりと焼き汁を吸ったものの方が味は上等だとか。
「写真を撮ってもいいですか?」と聞いたら、わざわざ作業を中断して撮影しやすいようにしてくれた。
リィコーチキンアップ丸ごと一羽の腹ににんにくのみじん切りや何や(それが何であるかは老眼には判別できなかった)がスタッフィングされており、フォイルを開けたとたんに食欲をそそる香りがぶわ〜っと立ちあがってくる。
昼食ではもずくそば(小)しか受け付けなかった胃袋がにわかに動き出したようだ。
  こういうのは「手がベタベタするのぉ〜♪」とか言わずにガシッと掴んでガツガツむさぼるのが正しい食べ方である。

 沖縄では人気があるらしく、特にパーティー需要が多いのだとか。クリスマスは三か月前に予約が埋まるらしい。隣のマックスバリュにはケンタも出店していたが、地元に根差したこういう店は強いよね。私個人もケンタよりこっちの方が好き。

ついでに書くと、沖縄ではケンタのフライドチキンは普通にご飯のおかずとして位置づけられているって本当?あれは単品かビールのつまみであってご飯のお伴にならないとずっと思っていた。
市場餃子店舗外観

最終日。ようやく薄日が差してきた。だけど国際通りで日焼けしたくない。
「ほお〜、陽に焼けたね。どこで焼いたの?」
「国際通り」
ほらね?いやでしょ。

散々歩き倒したし、いまさら観光などしたくない。
牧志公設市場のわきの路地を入ったところに「市場餃子」なる店を発見。わずか10席ほどの小さな店である。2010年8月にオープンしたとのこと。
メニューは醤油ラーメンと餃子とチャーハンぐらいしかない。
「えと、ビールと餃子10個ください」

市場餃子・皮にウコンが練りこんであります これが皮にウコンを練り込んだという餃子である。結構あっさりしていていくらでも食べられそうだ。
アチコーコーを口に放り込みながらビールをぐいぐいあおる。
沖縄最後の食事だから沖縄料理を食べようなんて気は全然起きないんだよな〜。
このヒネクレモノは。
ヘリオスパブ店内
  この日、ようやく渡嘉敷島行きのフェリーが運航したという。
だけどもうどうしようもない。
ああ。餃子を食べてもなお、飛行機までの時間を持て余す。
こうなったら到着日に雨宿りと称して立ち寄った「ヘリオスパブ」しかない。
昼から開いていて食事をしないでビールだけ飲めてそれほど高くない、ってのはありがたい存在なのだよ。喫茶店でもなかなかこうはいかない。
帰りの機内のビール  この旅行で私はいったい何十杯のビールを飲んだことだろう。くそ〜、台風5号め。
 せり出して元に戻らないこの腹をどうしてくれるんだ!(「そんなら飲まなきゃいいだろ」という声は聞こえないことになっています)
  そんで帰りの機内では、その腹肉がちょっぴり気になってビールではなく赤ワインを注文しましたとさ。(まだ飲むのか!)



  役に立たない旅行記に最後までお付き合いいただいた方には、粗品として真心をこめた私のチッスを贈ります。ちゅ。 ではさようなら。

Re: 波濤のかなたに島はかすんで ナナ - 2011/06/30(Thu) 19:44 No.4250
コアラさ〜ん! やけっぱちでハイテンションなレポート読ませていただきました。
くんなとぅの「じゅーしーおいしー×3♪」のところは 「ハイチューおいしー果汁ハイチュー♪」に聞こえてしまった・・・(笑!) お疲れ様でした・・お飲み疲れ様でしたのが正しい?!

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Re: 波濤のかなたに島はかすんで コアラ - 2011/06/30(Thu) 20:40 No.4251
 これほど不完全燃焼だった旅行が今まであっただろうか?という残念な事実を「ビール飲みまくり」というポジティブな流れに代えるようにがんばりました!(ただ単に惰性で飲んでいるだけだろ、という意見は受け付けない)
鶏の丸焼きだけが印象的だった旅行でした。
渡嘉敷島で自分が丸焼きになりたかった…。

-------------------------------------------------------------------------------- Re: 波濤のかなたに島はかすんで kaotti1 - 2011/06/30(Thu) 21:05 No.4252
 コ、コアラさん、くぅぅぅ、なんてこったの那覇滞在でしたね。
そしてこれを書き上げるのにまさに約5時間・・・ギャハハハ(ごめんなさい!)
旅行にビールは付き物です。こ〜んなにビール飲めるなんてある意味羨ましい・・かな。
タ、タクシーの運転手さん、何か言われてましたか? この船の前の写真はコアラさんの気持ちがヒジョーによく出ていますよね。
コーリィ、食べてみたいです、めちゃ美味しそうです。読んでるだけでジュルルゥゥ(^¬^)
いやぁ、色々と情報頂きました、更に最後の贈りものまで、フフフ。
またリベンジ旅行記お待ちしていますね〜。

-------------------------------------------------------------------------------- Re: 波濤のかなたに島はかすんで コアラ - 2011/06/30(Thu) 21:26 No.4253
 撮影後、運転手さんは極端に口数が少なくなりました。どうもオカシな人間を乗せたことを後悔していたっぽい。
そりゃそうだ。船は全て欠航している泊港に、アンタ、何の用事があるの?ってことですもんね。
kaotti1さん、「コーリィ」ではありません。「リイコー」です。ん?「ヒーコー」だったかな?
いずれにしても食べてみてください。感動的でさえあります。
総務経理として一番忙しいはずの月末に、銀行の待ち時間があれば記事を書き、打ち合わせ相手を待たせては記事を更新して給料をいただくのが申し訳なくなってきました。
社長、そういうわけで来月の給料は二倍にしてください。
ビールを飲みすぎてお金がなくなりました。

-------------------------------------------------------------------------------- Re: 波濤のかなたに島はかすんで 恭 - 2011/07/01(Fri) 09:50 No.4254
 コアラさん、おかえりなさい!
見事に梅雨明けして良かったなぁと思っていましたが、なんてこった、台風でしたね・・。
でも、やっぱりなんか楽しそう。 小桜のそうめんちゃんぷるー、食べたいなぁ。
今回私は直前でキャンセルしてしまったのですが、やっぱり行けばよかったとコアラさんのレポートの前で身もだえております。

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Re: 波濤のかなたに島はかすんで コアラ - 2011/07/01(Fri) 11:15 No.4255
 はいさい。恭さん。(沖縄では誰もハイサイなんて言いませんけど)
そっか!キャンセルするって手もあったのか!全く脳裏をかすめなかったです。
でも、かな〜り沖縄の経済には寄与できたかも。
ビール関係に偏った寄与かもしれませんけどね。
知人は私が帰ってきた翌日に、ピーカンに晴れ上がった沖縄の空の写メを送りつけてきやがった。…いや送ってくださいました。チキショ〜。

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Re: 波濤のかなたに島はかすんで なおっち - 2011/07/01(Fri) 15:18 No.4257
たぶん、今まで読んだ旅レポの中でダントツ面白いでっす! と言ったら怒られるかしら・・・。
ゴメンなさい・・・。 チキンだって台風に遭わなかったら会えてないでしょうし〜。
特に港の写真はかなりセンス良いと思います!
こういうこと出来る男性、個人的には大好きで、尊敬しまっす♪

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Re: 波濤のかなたに島はかすんで ゆみちゃん - 2011/07/01(Fri) 16:17 No.4258
 国際通りで日焼けは胸を張れますよ。
私なんぞプールに行くと、ランイングシャツの型がついた背中を見たおばさま族から、 「沖縄にでも行かれました?」と質問攻めにあい、「畑の草引きで焼けました」という情けなさです。
ウンコを練りこんだギョウーザがあるのかなと思いきや”ウコン”では・・・。
相変わらず文豪のコアラさん。つめの垢を送ってください!

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※コアラさん、久しぶりにこんな面白いレポート読ませていただきました。
はっきり言って、この文章大好きです♪                 ナイチャー小林

 


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