中城城跡・沖縄の世界遺産
Nakagusuku Castle Ruins

 沖縄の世界遺産に指定された城跡郡の中でも最大級の規模と保存状態の良さが特徴の中城城跡。 比較的早くから補修工事も進み、現在も美しい曲線を持った石垣が当時の威容を誇っています。 いつ造られたかは定かではありませんが、(言い伝えでは英祖王の子がこの地を与えられて中城王子となり城を築き住んだと言う伝説があります。)14世紀後半には中城按司が幾世代かかけて一の郭を始め二の郭、西の郭などを築城し、1440年に座喜味城から移った護佐丸が三の郭、北の郭を増築して今残っている形になったといわれています。昭和初期、ここに作られていた中城村役場
そして1458年、首里王府軍に攻められた護佐丸がこの地で自害した後は琉球王朝が利用し、島津による琉球侵略があってからは番所、日本に組込まれた後には城跡の一部が中城村役場として使われていました。 写真は昭和7~8年当時の中城村役場
中城城跡三の郭城壁  裏門の手前はかなり広い芝生の広場があり、石垣の手前は一段上がった平らな所があるので、そこでたまにイベントが有ったりもします。 順路を進んでいくと、この城の裏門から入るようになります。 このあたりの城壁は典型的な相方積みといわれる新しい時代の方法で石積みされていて、護佐丸の時代に作られたといわれる場所です。 中城城跡三の郭入口
そのまま進んで左手に上がるとは三の郭、右手に下がると北の郭とウフガーといわれる井戸があります。
中城城跡俯瞰案内図

ウフガー

中城城跡ウフガーへの道
北の郭は周囲に木々が生い茂っているため余り広くは感じられませんが、城としての戦略上欠かせない水の確保のための井戸を覆うように石垣が作られています。
ウフガーへ降りる階段

ウフガー

これは三の郭と同じく、護佐丸が居住するときに増築した部分です。坂道から 井戸へは細めの階段などを降りていかなくてはいけませんが、薄暗いウフガーには今でもしっかり水が溜まっていました。中城城跡ウフガー

中城城跡
料金
大人400円・中高生300円・小学生200円
駐車場
あります-無料
営業時間
8:30~17:00 5月~9月:~18:00 年中無休
管理
中城城跡共同管理協議会
オフィシャルサイト
http://www.nakagusuku-jo.jp/
住所 事務局: 沖縄県中頭郡北中城村字大城503
史跡住所:沖縄県中頭郡中城村泊1258
098-935-5719
空港から約41km 自動車で約1時間(高速利用-沖縄北インター)


※中城城跡の見学には、概ね60分はほしい。少し長めの坂や階段もあるので、軽装が良いかも。


中城城の歴史と護佐丸

※少し長くなりますが、中城城跡を知るために必要な事ですので、是非お付き合いください。
 中城按司護佐丸は1390年頃生まれ、山田城城主の養子となり読谷山按司を継ぎました。尚巴志が北山征伐の軍を興すと、連合軍に参加。第2軍大将に抜擢された護佐丸は、海路を通った尚巴志の本軍と分かれて陸路を北に向かい今帰仁城に突入。首尾よく北山王国を滅ぼしました。
尚巴志は、先今帰仁城主の血筋である護佐丸を北山守護に任命。その後北方を監視するために座喜味城の築城も命じます。護佐丸は山田城を崩して得た石材を運び名城を築いたので、築城家としての名声を高めました。
1422年、第一尚氏王統2代国王となった尚巴志は、二男尚忠を北山監守に任じ、護佐丸を座喜味城に移して北山の統治体制を堅固にします。護佐丸は座喜味城に18年居城し、中国や東南アジアとの交易で第一尚氏王統の安定を経済的にも支えました。
勝連城を根拠地とする茂知附按司が勢力を拡大すると、尚巴志は中城の地領を護佐丸に与え城の改築を命じ、息子の尚布里を江洲、尚泰久を越来に置きこれを牽制します。その後阿麻和利が勝連城の茂知附按司を滅ぼし、交易で実力をつけてきました。
1440年、尚忠が第3代国王となると、護佐丸は再度中城城に居城を移します。
護佐丸イメージ 1454年、王位継承権をめぐる王族の内乱が起きて尚泰久が第6代国王として首里に入ります。護佐丸の娘を正室としていた尚泰久王は、長女百度踏揚を阿麻和利に嫁がせ、護佐丸・阿麻和利との姻戚関係で内乱で失墜した王権の復興を図ろうとしました。
1458年、護佐丸は力をつけてきた阿麻和利に対抗するため兵馬を整えますが、これを知った阿麻和利が-護佐丸に謀反の動きがあり-と王府につげます。
泰久王は阿麻和利を大将に任じて中城城を包囲すると、王府軍と聞いた護佐丸は反撃せずに妻子とともに自害します。
その後阿麻和利は首里を急襲しますが、百度踏揚が勝連城を脱出して王府にこの事態を伝え、阿麻和利は王府軍により滅ぼされたと伝えられています。 以上王府の歴史書によるものですが、他にもいくつかの推論があり、実際のところは今も不明です。
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