久高島の集落は、島の南にまとまっています。道はかなり入り組んでいて、地図を持たないと迷子になりそうです。
伝説に由来する場所とか、祭祀のための施設が点在し、生活の場と密接に重なっています。土地は所有すると言う概念ではなく、全体を共有し必要な場合にお互いに使うと言う原始共産制の形を今もとる素敵な島。
この島を単なる観光地として訪れてみても、離島の雰囲気を良く残している優しい人達の住む場所であると言う印象だけが残ると思いますが、その歴史的背景、歩いてきた道、沖縄という地域でこの島の持つ特殊な有りようを事前に少しでも解っていたら、それらが今も同様に息づいている、神の島であるということを感じ取っていただけると思います。
そして今。この島も徐々にではありますが利便性、快適性を求める波が押し寄せているようです。観光客の利用を前提とした商店、施設、島起こしのための特産品の生産。公共事業による港周辺の整備。時間が止まっているかのようなこの島の時計も、少しづつ動き出しているのかもしれません。