下地島の伊良部島から一番離れた西側に、通り池と呼ばれる所があります。
駐車場に車を停めてから、細めの道を歩いて進んでいくと、視界が開けて小高い場所に出ます。そこからまもなく大きな穴が道の両側に2っつあり、底の方を見ると静かな水面が。
水面にはあたりの枯れ枝とか落葉した葉が浮かんでいて、すごく綺麗と言うわけには行きませんが、とても神秘的な雰囲気です。

この通り池に関しては伝説も残っています。
以前この付近に小さな村があり、漁で生計を立てていましたが、その中の1人が人魚を捕まえてきました。1人では食べ切れなかったので、村の人に切って分けてあげたのですが、その夜その家の親子が外に出ると、「早く帰っておいで。」と言う声が海のほうから聞こえてきて、「私は身体半分を食べられてしまったので、簡単に帰ることができません。」と言う答えも聞こえてきます。
「それでは波を起こすので、それに乗って帰っておいで。」「一回では乗り切れないので、3回大波をお願いします。」
こんな会話を聞いて、親子は伊良部島に急いで逃げ出しました。しばらくすると、沖から大波が三回押し寄せてきて、村は大波に呑まれ 、漁師の家の跡には大きな穴が2つできていました。これが通り池です。
池の大きさは
、直径が45mと55m、水深は45mと25mです。2006年5月には、平成になってはじめての国の名勝・天然記念物にも指定されました。
この日は曇りがちの空模様でしたが、太陽の光が差し込むと、今まで暗かった水面が急にエメラルド色に輝きだします。
ここの水は上のほうが淡水で、下ではトンネルで海とつながっていて海水になっているので、ある程度経験のあるダイバーの間では、そのトンネルを潜って抜けるというコースにも人気が有るようです。