吉野海岸、今から2,3年前までは、珊瑚がいっぱいの綺麗な海、人も多くなく、ゆったりと自然の中で魚達と遊ぶ事ができるポイントというイメージがありました。
それが、昨年くらいにはビーチに下りる坂道の上に駐車場が作られているという話を聞くようになり、現地の掲示板では、それに反対する声が上がっていました。
私もたまに覗いていたのですが、地元の方からは「地元で暮らす人間の事も考えないで…という反論も。 その意見に、「基地が沖縄に返還されたら、生活に困る。」と基地返還に反対する地主達と同じ様な歪曲した匂いを感じて、その掲示板にも行くことすらなくなりました。 しかし、気にはなっていたので一番新しい現状を見てみようと思い立ち、今回他の取材がてら宮古行きになったわけです。
宮古島を周回している83号線を走ると、すぐに場所はわかりました。道沿いに大きな駐車場が目立っています。そして海岸方面に入っていくと、すぐ左手にまたもやお土産やさんと大型駐車場が。
送迎無料か駐車場無料らしく、どちらにしても海岸まで行くには500円くらいの料金がかかるようです。
とりあえず、写真を写すだけだからといって、海岸までの細い道を降りていきました。
以前からあったであろうビーチ近くの無料駐車場が、ほとんど利用されないであいていたので、そこに車を停めて降りてみました。そこには、小さく漁民用見たいな事が書かれていましたが、実際には1,2台レンタル業者の車が停まっているだけ。
車から降りると、海岸のほうから日焼け止めオイルの匂いがリゾートホテルのビーチのように漂ってきます。ビーチのお客さんは見たところ多くないので、何軒か海岸でパラソルなどのレンタルをしている業者の方々からだと思います。

手前の浅い所の珊瑚は大分痛んでいるようですが、魚達は餌付けされているせいもあって、数多く見られたそうです。
業者が多数出店しているという事は悪い事だけではなく、競争原理で色々なもののレンタル料は安くなっていたのですが…
噂の吉野のおじさんは、ついに見かけませんでした。私がおじさんだったら、こんな状況の中にはいたたまれずに、きっと姿をけしているでしょう。
近くにいた地元の方と雑談してみると、昨年の7月からこのような状況になってしまったということで、利用する観光客の人達が、行政なり観光協会に意見を言うことが、昔の吉野海岸に戻す早道ではなかろうか、と話しておられました。


そのまま細い坂道を歩いて降りると、海までの両脇にその業者さん達が複数出店していて、声をかけてきます。
以前から想像していた静かに落ち着ける吉野海岸は、そこにはもうありませんでした…。
気を取り直して波打ち際まで行ってみると、そこには宮古ブルーの透明度の高い海はあるのですが…
ちょっと引いてしまう人も多いらしく、海で泳いでいる方々の数は多くありませんでした。
私も泳ぐ気になれないでそのまま帰ってきたのですが、泳いだ方々の話は聞いてみました。

この海岸に限らず、今まで素晴らしい自然を落ち着いた環境の中で楽しめた場所でも、それを利用して利益を得ようと考える人達が増えてきているような気がします。
このビーチ入り口にも左のような大きな看板が立っていたのですが、この海岸は市の管理下には無いのかもしれません。県だとしたら、それなりの条例があるはずなのですが…。
観光が主幹産業と言わざるをえない沖縄県ではありますが、目先の利益を考えすぎると、大切な観光資源その物にさえ、かげりが出てくるのではないでしょうか。
これからも自然環境と観光産業の望ましい方向について思考し行動していけたらと、痛切に感じました。
ここに限らず、県内各地の珊瑚が元気な海岸で、ジェットスキーが走り回り、レンタル業者が半ばビーチを占有しているような所も見かけられ始めています。
確かに美しい自然にひかれて来る観光客から利益を得ようと考える人達がいても、不思議ではありません。
しかしながら、それが逆に観光客の足を遠ざけさせるような事態になる事も多々あることを、認識していただきたいものです。
勿論遊びに行く側でも気をつけるべき所がたくさん有るとは思うのですが…
遊びに行く前に、是非
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