沖縄方言(ウチナー口)・あ


アイ

主に、女性がしゃべり始める時に使います。
「アイ、久しぶり!」 と、久しぶりに友達と国際通りで会って、ちょっとびっくりした時。 「アイ、あんたそこで何してるねー。」と、子供が家の中で泥遊びをしているのを見つけて怒っている時。少しだけ照れて、「アイ、また遊びに来たよー。」 「アイ、春奈も一緒に遊びに行くね?」 ようするに、会話の始めについていて、後の文章の意味を強める事もあり、そうでない時もありとてもファジーですが、なぜか女の子が使うとかわいらしさが強調され、オバーが使うと力強く感じられる、いかにも沖縄の言葉です。

アイエナー

ちょっとあきれてびっくりする様子。 「アイエナー、デージナットーン!」(大変な事になってる!) アイエナーだけで驚きを表すこともあります。 この手のびっくりする時に発せられる言葉は、色々なバリエーションがあります。似ている言葉に、アギジャビヨー、アンマヨー、アキサミヨー…でも、アイエナーはこれらの言葉より、否定的 意味合いがちょっとだけ少ないように思えます。

アイスクリン

沖縄の道路で売っているアイスクリームの一種。 アイスクリン売りの女子高生

沖縄の幹線道路をドライブしていると、アイスクリンの看板を良く見かけます。 販売しているのはシャーベットっぽいあっさり系のアイス。個人的には本当に暑い日なんかは本物のアイスクリームよりもこちらが食べたくなります。 販売員はアルバイトの女子高生。朝自動車でポイントポされさトに販売セットと一緒に降ろされて夕方には回収されるそうですが、聞いた所によると彼女達の特典はアイスクリン食べ放題だとか。 それにしてもトイレとかどうするんだろう的な、なぞの多いアルバイト。
最近はスマホしまくっているとか、友達呼んでゆんたくしているとか余り販売に熱心でない子もいますが、車を停めればきちんと笑顔で売ってくれます。

アガー

痛いときに自然にウチナーンチュの口から出る言葉。 たとえば、机の角に足をぶつけてしまった時に「アガー」、自動車の扉に指を思いっきりはさんでしまった時に「アッガー」とか「アッガヒャー」 と言うように、程度によって使い分けられています。 でも、最近の小さな子供達は「イタイ!」と咄嗟に出るようです。

アカバナー

正式にはハイビスカス。アカバナー・ハイビスカス
沖縄ではどこにでも真っ赤な花を咲かせている多分沖縄でもっともポピュラーな花。よく見ると八重咲きになっているもの白い色をしているものなど(アカバナーって言わないかな?)などのバリエーションもあるようです。 昔はシャンプーの代わりにしていたなんて話も聞いた事があります。

アギジャビヨー

どうしようもなくあきれている事を表す。
ほぼ同意語に「アキサミヨー」「アンマヨー」「アッキヨー」他「アギジェー」なんてバリエーションもいっぱいあります。 地方とか(沖縄本島でも狭いようですが、地域によって文化、言葉気性とか色々違うんです。)でも異なるようです。 ウーマクー(わんぱく)ワラバー(子供)が、マチヤーグァー(小さなお店)で泥遊びをした汚い手で商品のお菓子をいじりまわしているのを見つけた店番のオバーが「アキサミヨー、クヌヤナワラバーターヤ!」 と、見つかった子供達は、オバーの怒った恐ろしい形相を見て逃げていくわけ。

アジクーター

甘い、辛い、しょっぱい、苦い、すっぱい以外の味。
説明が難しいのですが、濃い味、こくのある味、油の強い味などの意味が渾然一体となったと言うか…沖縄料理でいえば、味の濃い目のチャンプルーとか、アシテビチのとろとろ良く煮込ん だやつとかは良く「デージ(とっても)アジクーター!」なんて表現されます。

アジスル

ちょっと食してみると言うような事。
京都土産の生八橋を友達と二人で食べていると悪友が来て、
「ちょっとアジしてみようねー。」 といった時には、すでに八橋を二つ口に入れようとしている。こんな言葉です。 ちなみに、後で書きますが、~しましょうね。 とか、~しようね。なんて言われたら、誘っているわけでも、了解を得ようとしているわけでもありません。 これから~するよーと言う宣言のようなものです。 オバーが「デージ上等やっさ。ハイ、あんたもアジして!」 なんて、テビチの入ったお椀を目の前に出されたらもう決して断れません。

アシバー

遊んでばかりいる人の事。不良、よたっている人の事。 コンビニの前で、眉毛を剃って剃りこみを入れている男の子。 茶髪に染めて、眉も細くピアスをして下手なメークまでしている女の子。これらはアシバーの見本です。
たいてい中学生で、しかも2年が多い様。中3の後半にもなってこんなしてると、高校受験で内申書重視の沖縄では行く高校がなくなってしまうから、ちょっとものを考えられる子達は卒業します。 でも、中には高校に入ってからアシバーデビューするアホもいて、大概留年後中退して否応無く社会に出ると言うコースをたどります。 「公園でヤナアシバーターが酒飲んでたから、気をつけて帰らんと。」 でも、その背景には、低賃金から共働きが多く、両親の帰りが遅い、そして将来に不安を人一倍抱きながらもそれに対応するノウハウをまだ備えてない、本当に弱い少年・少女。そんな社会的背景も考えさせられます。

アチコーコー

熱い。主に食べ物、飲物が熱い様子を表す。
田舎のオバーが「ウリ、アチコーコードー。」なんて言いながら沖縄そばを持ってくる、なんて情景が似合う言葉。 でも、私の知り合いのオバーが真夏の暑い日に「今日はアチコーコーだね。」みたいな使い方をしていたのも聞いた事があるので、ひょっとすると、あつい全般に使用する事があるのかもしれません。

アバサー

ハリセンボンアバサー 青森県以南の温帯から熱帯域にかけて生息する魚。 体には長い棘があって危険を感じると大量の水を飲み込んでみふくらみ棘を立てます。愛嬌のあるかわいい表情をしているのですが、沖縄ではアバサー汁の材料になることも多かったり。

アマクマ

あちこち。
「だー、あまくま物を置かないよー。だからいつもわからなくなるさー。」 いつも物が無くなって探し物をしていると、こう怒られると言う友達がいます。

アリンクリン

あれもこれも。 58号線浦添あたりに、こんな名前のレストランがあったような。 壁面いっぱいに、にんにくのイラストが書いてあって、あの匂いが好きではない私は、その近くで自動車から降りた事がありません。

アワティー ハーティー

バタバタ慌てている様子。
ゴムボートで子供達が遊んでいるので安心してパラソルの中で本を読んでいたら、ちょっと目を上げるとボートがいない! あちこち見てみると、かなり沖に流されていっているボートを発見。 「オーイ。」と叫んでも聞こえない様子で、アワティーハーティーしながら海に入りやっとの思いでボートにたどり着くと、子供達は潮に流されていても怖がる様子も無く、「このまま行ったら、向こうの島につけそうだねー。」とか喜んでいました。 どこまでも楽天的なウチナー中学生です。

アンダーグチ

おせいじ。相手を持ち上げる言葉。 沖縄にもおせいじのうまい人は結構います。 人間関係をうまく続けていくためには、多少のアンダーグチも必要だとは思いますが、鼻につく程のおせいじが嫌われるのは、沖縄に限らずどこでも一緒。アンダーとは油、クチは言葉と言う意味です。

アンマー

おかあさん。  お母さんのことを言いますが、オーマイゴット!と言う意味に近い「アンマヨー」は…きっと沖縄でも母は神に近かったのかも。確かに。あのウチナーオバーターになるんだから…
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