竹富の集落のほぼ真ん中に竹富小中学校があります。
過疎地のではあるものの、ここに通う子供たちは34人。建物も赤瓦の人数に対しては立派過ぎるくらいの建物。
サイトを見ると竹富校公約公開表なるいかめしいページが有って、目指す学校像の項目に、楽しい学校、ぬくもり、うるおいに加えて「うつぐみの心」という聞きなれない目標があります。
約500年前の島の偉人・西塘の遺訓といわれる「かしくさや うつぐみどぅまさる」皆で協力することこそ優れて賢いことだ、という意味です。
この「うつぐみ」すなわち一致協力の心こそ竹富島の基本精神だそうです。
このうつぐみの心を大切にする土地柄が、現在のような統一された町並みを実現し、これが重要伝統的建造物群保存地区に指定されて今日のように観光客が大挙して訪れる基盤にもなりました。
島の人達が守っている竹富島憲章にあるように、
売らない:島の土地や家などを島外者に売ったり、無秩序に貸したりしない。
汚さない:海や浜辺、集落等島全体を汚さない。
乱さない:集落内、道路、海岸等の美観、島の風紀を乱さない。
壊さない:由緒ある家や集落、景観、美しい自然を壊さない。
生かす:伝統的祭事、行事を精神的支柱として民俗芸能、地場産業を生かす。
など他の地域では厳守しにくい内容も今日まで守られ続けているのは、この精神のおかげかもしれません。
こんな学校で、しかも素晴らしい地域文化を継承しながら教育を受けられる子供たちは、きっと幸せなのだと思います。
いやでもマスメディア、そこにある自由主義の影響を受けつつ、ここに来る多くの観光客の姿を見ながら育つ現代の子供たちが、これから将来にわたってこの地域という集団の考え方を伝えていけるのか多少心配でもありますが、是非この島に伝わる文化面だけでもしっかり受け継いでほしいものだと思いました。